2011年10月17日
日電歩道
富山県の日電歩道です。
当時の日本電力が発電所建設の為の調査を行うために開いた道・・・ということでその名がついたとの事です。詳しい解説はwiki等にお任せするとして、昨年の秋にWEB上で写真を見て来年必ず行くぞと誓い、そして決行となりました。ルートですが、扇沢->黒部ダム->阿曽原(一泊)->欅平としました。黒部ダム->阿曽原の方が長い(コースタイムで12時間)ので元気な一日目に長い方を歩いてしまおうと。それから太陽が真上に来る正午にトロッコに乗らないと、谷が日陰になって写真が撮り辛そう…というのが最大の理由。
日電歩道の始点(終点)の黒部ダムからスタートです。トロリーバスの駅からダムの脇にある道を下り河原に向かいます。ダムを下流から眺めることができるのはこのコースの魅力のひとつ。
歩き始めて一時間ほどで日電歩道が始まります。ああ絶景かな。
岩を削った道が続きます。写真では大した高さに見えませんが、落ちたら怪我では済まない高さです。
この辺りまで来ると慣れてきて、逆に楽しくなってきます(ハイになっているだけ?)。命綱の針金を持って、慎重に進めば大丈夫。
おいおい勘弁してくれよ、と思わず洩らした場所その1。水をかぶって進むしかありません。
十字峡へ到着。ここで小休憩、しばし景色を楽しみます。
十字峡を過ぎると、いよいよ高度が上がってきます。谷底の川がどんどん小さくなっていきます。
勘弁してくれよ、その2。九月中旬ですが濡れると寒い!
突然現れる場違いな建造物。黒部第四発電所の送電線です。落石や雪を避ける為、こんな形をしているのでしょう。
東谷吊橋より。これは仙人谷ダム建設時のものでしょうか・・・?
少し進むとトンネルになります。先程の所まで鉄道が通っていたのかもしれません。仙人谷ダム周辺にも使われていない軌道の跡がたくさんありました。
トンネルを抜けると仙人谷ダムに着きます。ここまで来れば今日の目的地、阿曽原温泉小屋まであと少し。
その後がキツかった・・・。急坂を登ったと思ったら突然の雨、そして急坂の下り。阿曽原に着いた時には膝が笑っていました。写真を撮る余裕が無かったので翌朝撮った阿曽原の様子。
翌日も良い天気!筋肉痛の体に鞭打って出発です。
ここは蜀の桟道か?本気でそう思った場所。
大太鼓展望台からの眺め。どこかのブログにも書かれていましたが展望「台」とは言えない・・・。ここまで来ると欅平のトロッコの汽笛が聞こえて、あと少しでゴールだと実感します。
志合谷。泡雪崩で84人の犠牲を出したという場所です。今の時期は雪が無いので恐れることは無いのですが・・・。
勘弁してくれ、その3。カーブしたトンネルが150m続き、中は真の闇。暗くて狭い場所が苦手な私にはここが最大の試練の場。ここまで来たら行くしかないのでライトを握り締めて突撃。トンネルを突破すればゴールの欅平まであと少し。
欅平に到着。観光客がひしめく中に登山装備の私が一人で、さぞかし浮いていたことでしょう。
最後に「俺も行くぜ!」と思った方へ。最低限、下記の物は持って行きましょう。
・照明(志合谷のトンネルで必要)
・厚手の手袋(安物で良いので革手推奨。軍手はトゲ等が貫通します)
・合羽(ポンチョは行動し辛いです)
・食料と水(阿曽原以外で補給できません)
・防寒着(九月でも朝晩は冷え込みます)
・防水で底の厚い靴(道は基本的に岩なので薄いと足の裏が痛くなる。沢を渡る箇所がいくつかあるので防水が良いです)
これを書いていて知ったのですが、地震で歩道が大規模に崩れてしまったとの事です。今期の復旧は無理との事で阿曽原の小屋も閉めてしまったそうです。危険ではありますが素晴らしい所なので、復旧してくれると良いのですが…。